希少な有機栽培りんごご案内中。他の栽培方法との違いは?

有機栽培りんごの圃場

e有機生活オンラインショップでは、2023年より有機JAS認証取得済み「有機栽培りんご」のご案内を開始しました。先行してご案内していた栽培方法も含め、国産りんごの栽培方法ラインナップは、有機栽培特別栽培無農薬栽培(特別栽培)慣行栽培(特別栽培りんごのない夏場のみ)の4種類となります。

そのうち、最高峰に位置するのが「有機栽培りんご」。毎週数量限定で入荷しています。有機栽培は節減対象農薬、化学肥料不使用で、環境への優しさが一番の特徴。土壌保護と生態系調和にも焦点を当てるため、りんごの味わいも豊かな風味を持ちあわせています。

ただ「有機栽培」は圃場、収穫、保管、仕分け工程すべてにおいて有機JAS認証を受けるため、その費用や手間があり、どうしても価格が上がってしまうことがほとんどです。「有機栽培りんご」を選ぶメリットは?慣行栽培、無農薬、特別栽培とどう違うのか?についてご紹介いたします。

この記事の目次

有機栽培は節減対象農薬不使用です

有機栽培の根底にあるのは、樹の生きる力を高める土作り

有機栽培は土作りからスタートします。前提条件として、3年以上化学合成農薬や化学合成肥料を使わない圃場での栽培が必須です。この3年以上の間に、それまで土壌や作物に蓄積された化学物質が自然に分解・排除されます。また、その間施肥された有機肥料により微生物が活性化し、豊かで良質な土ができるサイクルが生まれます。徐々に樹の生命力が強くなり、次第に安定して農薬に頼らない有機栽培が可能となります。

栄養豊富で豊かな土に育まれているりんごは、その味わいも格別です。

栽培方法による農薬の違い

農薬の使用回数を確認してみます。青森県でりんごの「慣行栽培」(通常の栽培)で使われている「節減対象農薬(※)」の使用回数は36回。「特別栽培」の場合、節減対象農薬の使用回数が50%以下(18回以下)、および化学肥料の窒素成分量が半分以下とされています。

では有機栽培ではどうなのでしょうか?有機栽培においては、節減対象農薬不使用、化学肥料不使用となります。農作物が深刻な害を受けると判断された場合にのみ、有機JAS制度で承認された農薬(化学農薬・天然由来)が使用されます。これを「有機許容農薬」と呼びます。

節減対象農薬とは、農薬から「有機農産物JAS規格」で使用の認めら. れている農薬を除いたもの。天然物質由来農薬は、節減対象農薬に含まれません。

有機許容農薬は、化学合成農薬と比較すると即効性が低いものの、残留物がないため環境への影響が少なく、人に対する健康被害のリスクも低いものです。「有機栽培りんご」では、基本的にはアップルビネガーなど安全な自然に近いものをこまめに散布し健康な樹と病害虫予防に努めています。それだけではどうしても防げない「黒星病」などの病害や「ダニ対策」として、有機許容農薬を年に数回使用しています。

有機栽培りんごと無農薬りんごの違いについて…e有機生活で「無農薬りんご(特別栽培)」とご案内しているりんごは、農薬を一切使わずに栽培されています。認証を受けていないため、規格的には特別栽培となります。「有機栽培りんご」では、最低限の有機許容農薬を使って栽培しています。無農薬りんごは、外部機関による認証などは受けておらず、農家さん管理の下栽培されています。有機栽培りんごは、有機JAS認証に基づき毎年認証を受けています。無農薬りんごは、農薬を使わないことから毎年安定した収穫が難しいことがあります。収穫量次第でのご案内となります。

有機栽培は化学肥料不使用です。土壌品質が向上し持続可能。

化学肥料のメリットとデメリット

慣行栽培・特別栽培で使用している「化学肥料」は土の種類や微生物の働きなどの影響をほとんど受けず、作物に直接的な栄養分を補ってくれます。そのため、即効性があるというメリットがあります。しかし同時に、微生物が減って土が痩せ硬くなったり、化学物質が地下水へ流出して地域の生態系へ影響を与えてしまうというデメリットがあります

化学肥料の成分は、基本的に窒素・リン・カリウムより構成されていて、イメージとしては作物の成長に必要な栄養成分が入っているサプリのようなもの。そのため、直接的に作物に作用してくれるので、目に見えて効果が現れます。ただ微量栄養素やミネラルなどは含まれていないため、土壌中のバランスが崩れ、微生物がやその周りにいる生物が減り、土が痩せて硬くなっていきます。土が痩せると保水力がなくなるため、化学肥料に含まれる化学物質も地下水を経由して地域の環境に影響を与えやすくなってしまうのです。

有機肥料のメリットとデメリット

一方、化学肥料を使わない有機栽培では、どのように作物を栽培するのでしょうか?

例えば山林で育つ樹木を例に挙げてみると、化学肥料を与えなくても生長します。これは葉が地面に落ちて次第に微生物が分解した腐葉土があるためです。有機栽培ではこの自然のサイクルを再現すべく、有機肥料(有機質肥料)やミネラルなどを施します。

有機肥料は、化学肥料と違い、すぐに木や作物に対して効果は現れません。微生物が時間をかけて有機肥料を分解することで、はじめて効果が表れ始めます。時間がかかり、効果はわかりづらいというデメリットがあります。

有機栽培りんごの農家さんは、様々な有機肥料の中から、勉強会や研究を重ね、周りの環境や天候予測に即したものを選び、都度有機肥料を施肥しています。より自然な形で土の中の生態系を維持して樹の生命力を高めていくのが有機栽培。土壌の肥沃度が向上し、長期的な土壌の健康が維持されます。それにより健康な樹が育ち、持続可能であるのがメリットです。

有機JAS認証で小分けまで管理!毎年外部機関の審査を受けています。

農薬や遺伝子組み換えについて共通した基準

有機JAS認証を受けるためには、慣行栽培で36回程度使用される節減対象農薬は一切使わずに、使えるのは有機許容農薬のみ。化学肥料は使わず有機肥料での栽培で、さらに遺伝子組み換え作物の使用は禁止されています。使える農薬や肥料についても、有機JAS認証による厳格な基準があるからこそ、残留農薬や遺伝子組み換えに関して懸念することなく、より安心してりんごをお召し上がりいただけます。

第三者機関による認証の安心感

有機JAS認証は、毎年第三者の検査機関によって行われます。有機JAS規定に基づき、管理者、圃場、記録、工程管理、小分けの工程まで、それぞれ厳格な基準をクリアする必要があります。そもそも有機でりんご栽培を続けている農家さんは、志が高い方ばかり。それにプラスして第三者機関によるチェックがはいることで、さらに信頼度アップ。安心感が違います。

まとめ

有機栽培りんごについて、他の栽培方法と比較してみました。作物の中でも果物の有機栽培は非常に難しく、日本でも有機認証を取得しているりんご農家さんは数件のみ。とても希少です。

2023年は夏の猛暑(地球沸騰!)により、りんごが赤く色づかなかったり、早く熟して柔らかくなってしまうりんごが多くありしました。そのため、2023年~2024年冬のりんごは全体的に高値になり、品質も全体的に落ちてしまいました。有機栽培りんごも例年よりも収穫量が落ちていますが、2024年1月現在、数量限定でご案内させていただいております。収穫量が少なかったため、さらに希少な有機栽培りんご、今年は早く終了となりそうです。

有機栽培りんごについて、無農薬りんごについて、慣行栽培りんごについて、お問い合わせをいただくことも多々ございます。こちらの記事も都度更新してまいりますので、参考にしていただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

有機栽培りんごの圃場

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