さんぶ野菜ネットワーク(千葉県)の環境にも生物にもやさしい「さんぶの有機人参」

さんぶ野菜ネットワークの有機人参は、毎年12月から2月の冬人参、4月から6月の春人参を産地直送でお届けしています。
さんぶ野菜ネットワークは、30年以上日本の有機農業を牽引してきたグループです。
有機農業とは、有機JAS規格に従い、禁止された化学肥料や化学合成農薬を使わず、有機質の肥料で育てる農法です。有機農業で生産された農産物でも、有機JAS認証を取得していなければ、「有機JAS」マークを付けることができません。
また、環境への負荷をできる限り低減した、人にはもちろん、虫や植物、生物、地球にもやさしい農法です。
有機農業は、一般的な慣行栽培と比較すると大変な農法です。さんぶ野菜ネットワークの生産者の有機農法への取り組みを紹介いたします。

この記事の目次

適度にふわっとやわらかい「土」を作る

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
「有機農法を続けると土が空気を含んで深いところまでやわらかくなるんです」と富谷さんは言います。野菜も微生物もイキイキと育つ土は、いわば有機栽培の要。一朝一タにできるものではなく、何年もかけて作り出されます。今では全国から視察に訪れる有機農法30年のベテランの畑も、何度も失敗し、年月を経るごとに畑と一緒に土は育ってきました。

人参の種まきの前の大切な仕事

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参

有機栽培の土の下の力持ち「緑肥」

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
生産者で違いもありますが、いくつかの品目をローテションで栽培する輪作を行います。
富谷さんは、まずネギを育て、そこで自家製の有機たい肥を入れます。
次に、麦を育て、収穫することなく、根っこごと畑にすき込まみ、肥料とします。これは緑肥と呼ばれる役割の植物です。
緑肥は、有機栽培の影の立役者です。緑肥になるのは、麦や豆など何種類もあり、緑肥の働きにより、有機物が増え、栄養豊富な土壌になります。まさに土の下の力持ち。
人参の前に何を栽培するか、どんな緑肥を植えるか、この組み合わせが大切で失敗すると逆効果になることもあります。土と相談しながら、ゆっくりとよい畑に育てていく、まさに生産者の腕の見せ所です。

自然本来の循環を取り戻す手助けをする「たい肥」

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
有機栽培で使うたい肥は、栄養成分という働きもありますが、土壌を改良し微生物が繁殖するための環境を整える大切な役目があります。
たい肥は、土の自然循環機能をサポートし、土壌を改良していきます。微生物を介した自然循環は、自然の本来の生命の姿です。化学肥料では決して生まれません。
たい肥を毎年一から自分で作っている生産者もいます。たい肥は、土地ごとに必要なものが違うので、たい肥作りは、有機の生産者のこだわるところです。

有機栽培の大敵”雑草”は「太陽光」の暑さで作業軽減

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
有機栽培で一番大変な作業は”除草”。「除草剤を使うと微生物が減り、土が砂漠化していきます。人にも生態系にもいい影響はないです。」と富谷さんはおっしゃいます。
そこで、除草剤の代わりに使うのは” 太陽光”。
夏の暑い時期に、マルチというビニールを畑に張り、太陽熱で土を高温に維持することにより土壌消毒を行います。この熱処理のおかげで、手取り除草が少なくなるそうです。まさに自然を利用したエコな農業「SDGs」です。

ゆっくり栄養を取って育つ有機農法と相性ぴったりの「浜紅」

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冬人参の種まきは8月頃。11月後半から2月初旬の収穫時期まっでじっくり成長します。
一般的な農法の慣行栽培と有機栽培。この2つの栽培方法の違いの一つは、農作物への栄養を化学的なもので補うか、たい肥など有機的なもので補うかです。
化学肥料には、葉や茎がよく育つ窒素が、多く含まれているので、気候条件によって栄養を一気に吸い、葉や茎だけ育つことがあります。一方、有機栽培は微生物が分解した栄養成分をゆっくりと吸い上げていくので、葉や茎だけ育つということが少ないのです。

おいしいけれど栽培が難しい昔ながらの品種「浜紅」

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果肉は甘くやわらかく「まるで柿のよう」と評される「浜紅」。
種苗会社の担当者は、「浜紅」は、形の大小も多く、手間暇のかかる品種と言います。
化学肥料を使う一般的な農法で育てるには、葉ばかりが大きくなったり色が乗らなかったりして、難しいそうです。今では、消費者が、形の揃った野菜を求めるようになったこともあり、品種改良された手がかからず色や形の均一な人参が主流になっており、「浜紅」は少なくなっています。

有機栽培では「浜紅」のペースに合わせて栄養が効く

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
一般的な農法では育てにくい「浜紅」ですが、「さんぶ野菜ネットワーク」では、主に「浜紅」を栽培しています。
化学肥料や農薬を使わない有機栽培の畑では、自然のものから作られたたい肥を、微生物やミミズなとの生物が分解します。生態系のバランスが取れた土壌は、深いところまでやわらかく、栄養成分がゆっくりと野菜に届きます。「芽が出て葉が伸び最後にぐんと根が大きくなる。人参本来の育ち方をする「浜紅」は、ゆっくり栄養が届く有機でこそ味が良くなる品種です」と吉田さん。土・肥料・ 品種の相性が見事にかみ合い、大きな実りとなるのです。さらに「浜紅」は、病気にかかりにくい特性もあります。
糖度が高いだけではなく、人参本来の風味も併せ持つ自信作「浜紅」です。

自然を利用した有機栽培の畑ではてんとう虫も大事な仲間

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
あざやかな人参の緑葉が覆いつくす畑に、地面を這うてんとう虫。吉田さんは「緑葉を食べるアブラムシの天敵だから、畑にいるのは良いことなんです」と教えてくれました。環境にやさしい有機人参は、自然のリズムに合わせてゆっくり育ちます。

収穫を終えたら、冬の「寒さ」で土の中の害虫退治

冬人参の収穫がひと段落する2月。この寒い時期にすべき作業が、「畑をおこす」です。
「畑をおこす」とは、機械で畑の地中深い土を掘り返す作業のこと。
この作業に「寒さ」が必要なんです。この時期に掘りおこすことで、地表に出てきた雑草の種や害虫が寒さで死んでしまいます。これも、除草剤や殺虫剤を使わない有機農業では大切な作業です。

「団粒構造」でふかふかの土壌

さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参
「昔も冬場の仕事はクワなどで畑を掘りおこすことでした。科学的な検証がなかった頃でも、この作業が作物にいいことが経験でわかっていたのでしょうね」と吉田さん。
畑をおこすのは、雑草や害虫駆除だけではありません。土壌を団粒構造にする目的もあります。団粒構造とは、土壌粒子が結合して団子になり集合している状態のこと。
畑の固い層を砕き、粒にすることで、土と土の間に空気が入り、水の通りがよい、ふかふかの土壌になります。棒を挿すと1メートル近くスッと入ってしまうほどやわらかい土壌。有機栽培では、ここを目指して一所懸命に土を作っています。
団粒構造の土壌は、農作物の根がのびのびと育ちます。有機栽培に必要な微生物たちの住処にもなります。真冬の殺風景な畑では、次のシーズンを迎えるために大切な土作りりの真っ最中です。

自然を利用し、環境に配慮した有機農業は、次の世代に「命の糧となる食べ物を育む畑」を引き継ぐという重要な役割を担っています。
さんぶ野菜ネットワーク千葉県有機人参

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